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AIは道具から環境になる
翻訳支援ツールを20年使い続けてきた実感として、AIは使う道具というより、その中で働く環境に近づいているように見えます。だからこそ環境づくりには、翻訳の現場を知る人間が関わるべきだと考えています。
TRANSLATION × AI — 2026
翻訳とAIの交差点から — 矢澤竜太 / Ryuta Yazawa
翻訳者、起業家、AIリンギスト、プロダクトマネージャー。ゲームローカライズの現場に20年あまりいます。この6月まではゲーム特化のAI翻訳サービスをつくる現場で、AIと人がいっしょに働く翻訳のかたちを考えては、つくっていました。今は再びフリーランスとして活動中です。
STATEMENT
世間ではいよいよ、機械が翻訳の下書きを書くのが当たり前になってきたと言われています。では、翻訳者の仕事はなくなるのでしょうか。この問いを、私は現場のいちばん近くで毎日考えています。実感としては、なくなるのは作業で、残るのは判断です。文脈を読み、文化を咀嚼可能な状態にして渡し、物語をプレイヤーがどう感じるかを決める仕事は、むしろ重みを増していくでしょう。
私が見ている未来を、三つ書いておきます。
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翻訳支援ツールを20年使い続けてきた実感として、AIは使う道具というより、その中で働く環境に近づいているように見えます。だからこそ環境づくりには、翻訳の現場を知る人間が関わるべきだと考えています。
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正確なだけの訳文は、前提となっていきます。これからのAI翻訳品質は、プレイヤーが笑うところで笑い、泣くところで泣けるかどうかで測られるようになるでしょう。それをどう測り、どうつくるか。いまはその方法を組み立てる仕事をしています。
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私は翻訳というクラフトを愛してきましたし、今も愛しています。だからこそ、AIの時代にそれが安売りされないよう、翻訳の新しい当たり前を自分の手でつくる側に回っていきます。
CURRENTLY
現在はフリーランスで活動中。翻訳そのものを請け負うことから、エンターテインメント翻訳におけるAI活用の仕組みづくりに注力しています。当面は発信しつつ、コンサルテーション、伴走、プロトタイプ制作に注力していきます。
直近は株式会社Algomaticで、ゲーム特化型のAIネイティブ翻訳サービス「DMM GAME翻訳(旧AlgoGames 翻訳)」に参加していました。チーフリンギスト、プロダクトマネージャーを経て2026年6月で退職。
CAREER
翻訳会社、開発スタジオ、起業、フリーランス、そしてAIプロダクト。翻訳を取り巻くほぼすべての立場を経験してきました。
TALKS
最初の登壇は2011年のCEDECで、翻訳支援ツールの話でした。2025年はGDCで、AIエージェントによるゲームローカライズの話をしています。道具は変わりましたが、話していることの芯は変わっていません。